ドット印刷とは

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概要

ドット印刷とは点や小さな円形のパターンを印刷することである。その印刷するドットの色や、一つ一つの大きさや高さ及びドット集合体としての密度やその密度変化等のパターン設計により印刷品質は左右されるのでドット印刷技術は非常に重要である。

ドット印刷の用途・機能としては、

  1. グラデーション表現、
  2. 白黒及びカラー写真の印刷、
  3. 点字・すべり止め印刷、
  4. 積層基板間のセパレーター、
  5. 光学的用途として導光板の光の分散、等がある。

また、そのドットを形成する印刷手段としては、どの印刷方式でも可能ではあるが、ドット形成の狙いとする用途や機能によって、必要とされるドットの大きさや高さ、ドットパターン、また、色の違うドットの組み合わせ、等の設計に応じて最適なドット印刷方式を選定する必要がある。

印刷方式によるドット形状の違い

印刷方法を大別すると、有版式と無版式とがある。有版式は、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、孔版印刷に分類できる。凸版印刷は、木版や芋版等の古くからある一般的な印刷方式であり、現在ではゴム版を用いるフレキソ印刷に用いられ、版の凸部面に乗っけたインキを被印刷物に接触させて印刷する方法である。

ドットの形状としては、圧着してインキを転写するものであり版側のドット径を小さくすれば小さな径のドットも印刷可能であるが、ドット高さが低いものとなる。凹版印刷は、凹部面にインキを貯めて、被印刷物面にインキを接触して転写印刷するもので、凹部の深さの変化で濃淡が付けやすい印刷方式であり、鮮明な色彩の画像が得られるので写真印刷に多く用いられ、グラビア印刷として多く知られている。

ドットの形状は、凹部の深さを制御することで、凸版印刷よりは高いドットの印刷が可能である。平板印刷は、版面を親油性部と親水性部とに区分けし、インキを版面の親油性部に乗せ、被印刷物に接触させることにより印刷するもので、オフセット印刷が代表的な印刷方式として知られている。高速・大量印刷が可能であり、現在は、ほとんどの出版物がこの方法で印刷されている。

ドット形状としては凸版印刷法と同様にドット高さは低いものとなる。孔版印刷としては、古くはガリ版であり、版材に孔を形成し、その孔をインキが通過し被印刷物に圧着することで印刷される。現在ではスクリーン印刷法が代表的な孔版印刷となるが、簡易的で安価な版材と設備で印刷ができ、被印刷物が厚みのある板状のものにも印刷ができ、版材の厚みと工法の工夫で、ドットの径や高さを比較的自由に操ることができる。

また、機能性のインキを被印刷物表面に形成することで新たな特性を持たせる印刷方法として注目されているが、現在は、径が80μm以下の小さなドット形成は難しいとされている。無版式の印刷としては、版を作成する必要がなく、コンピューターからの電子入力をオンデマンドに直接用紙に印刷するもので、静電複写機やサーマルプリンター、インキジェットプリンターを使用した印刷方式である。

もともとインキ等の液粒子を飛ばし、液粒子をそのまま、または積み重ねることによりドットを形成する印刷方式であり、ドット形状を制御するのが比較的困難な印刷方式である。ドット形成の特徴から印刷方式を比較すると、以下のようになる。

ドットの大きさ

小さい 👈 平板印刷≒凹版印刷>凸版印刷>孔版印刷≒無版印刷

ドットの高さ

高い 👈 孔版印刷>無版印刷>凹版印刷>平版印刷≒凸版印刷

用途・機能

ドット印刷の用途及びその機能としては、

  1. グラデーション表現、
  2. 濃淡が必要な写真印刷、
  3. 表面の抵抗値を高め、視覚障害者が指で触って解読できる点字やすべり止め印刷、
  4. タッチセンサー積層基板の絶縁のためのスペーサー、
  5. 光学的な用途には、液晶用バックライトとして用いられる導光板の光の分散 等がある。

グラデーション表現

白い被印刷面上に黒いドットのパターンを並べると、遠くから見た場合、人間の眼では個々の点を識別できず、灰色であるかのように見える。よって、黒い点と白い背景の面積の割合によってその部分の明るさが変化し、多数の黒いドットや大きめの黒いドットがある場合には暗い灰色に見え、黒いドットが少ない場合や小さめのドットだった場合には明るい灰色に見える。

図1は、その現象を表現したもので、左が近くから見た場合で、右が遠くから見た画像を示す。このようにドットの密度を変化させるパターン設計してドット印刷するとグラデーション化ができ、画像の表現が豊かになる。

カラー写真印刷

カラー写真印刷画像は、図2で示すように色の3原色(シアン・マゼンダ・イエロー)と黒(ブラック)とを組み合わせたCMYK色のドットですべてのカラー色が描かれる。図3は、濃淡を付けたCMYKのドットの組み合わせで表現できる色変化の原理を示すものである。さらに、濃淡とより細かなドットパターン設計によりグラデーションでもって、ぼかしや陰影部を再現することで、緻密で繊細な写真画像が表現されカラー写真印刷となる。

このような、3原色の組み合わせによるカラー写真印刷を得意とする印刷方式は凹版印刷に属するグラビア印刷であるが、ドット径をより小さくすることで、画素数を高め、繊細できめ細かな写真画像を生み出している。当然、ドット形状としては、径が小さく低いものとなっている。

点字・すべり止め印刷

ドット形成により被印刷面のすべり抵抗値を高めるすべり止め印刷、図4に示すような、視覚障害者が指で触って解読できる点字印刷、等もドット印刷の一つである。すべり止め印刷の事例としては、マウスパッドの裏に形成されているドット印刷があるが、これらに必要なドットの大きさは、径が1mmから数ミリで、高さも200μ以上が求められる。

これらの大きなドット印刷は、スクリーン印刷が得意とするものであり、厚盛用のUVインキを選定し使用することによりニーズを満たしている。

スペーサー機能

ドット印刷は図5に示すような、タッチセンサーのドットスペーサーとしても機能を発揮する。近年は抵抗膜方式のタッチセンサーは静電容量方式に主流が置き換わりつつあるが、このようなドットスペーサーとしての機能は、電子機器や光学機器、等の積層基盤の隙間形成や絶縁体として、さらに高精度化して幅広く応用されている。

このドットスペーサーとしての重要な技術課題は、ドット高さの制御であり、より小さい面積のドットを均一な高さで、必要な部分へ位置決めを行う印刷技術力が要望される。このような用途に合わせて対応できる印刷方式としてはスクリーン印刷が有望と言える。

導光板の光の分散

ドット印刷の光学的な用途としては液晶用バックライトに用いられる導光板の光の分散機能を利用したものがある。図6は、液晶用バックライトの導光板を示すものである。導光板とは、アクリル樹脂板の片側表面に拡散用のドット印刷加工を施したもので、端面からのLED光源の光を乱反射させ、均一に面発光させる板である。LEDからのアクリル板に入光した光は、樹脂と空気との屈折率の違いの影響で、通常はアクリル板の外に放出することはないが、ドットが形成されていると、そこで拡散し光が外に飛び出すことになる。

図6の下側に放出した光は反射板により再度上部に跳ね返され、光は液晶の下から照射され液晶をてらうことになる。

ドット印刷でドットをグラデーション設計することにより、アクリル板全面の輝度が均一にすることができる。前面の輝度を高めるためには、ドット形状はより小さく高いものが要求され、硬度のあるアクリル板の一枚ずつ印刷する必要があるために、枚葉印刷としての特徴を持つ、スクリーン印刷が重宝されている。

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