乾燥とは

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スクリーン印刷の乾燥工程

概要

熱を与えるなどして、目的のものから不要の液体分を除去し、乾いた状態にすることを言います。

スクリーン印刷では、溶剤型インキ、熱可塑性インキ、水性インキ、UV硬化インキの、基材への密着向上と、印刷皮膜を硬化させることを乾燥工程と言います。

役割

インキを 乾燥・硬化させることにより、印刷生地への密着性を向上させ、印刷表面に硬い皮膜を形成します。溶剤型インキの場合、印刷された未硬化のインキに、乾燥・硬化特性に応じた 熱風や、輻射熱を与えることにより、乾燥させ 硬化させます。水性インキも同様です。

酸化重合反応インキは、空気中の酸素と反応することにより酸化し溶剤分も印刷物より放出され乾燥します。

高温焼付インキは、インキが高温になることにより、溶剤分が蒸発し、又 温度により硬化します。

UV硬化型インキの場合、印刷された未硬化のインキに、硬化波長に合った紫外線を、適正光量以上に照射することにより、化学反応を発生させインキを硬化させます。

化学反応を促進させたり、印刷物の密着性を向上させるために、UV照射前、照射中に加熱する場合や、UV硬化後に、焼付加熱処理を行う場合もあります。

スクリーン印刷の乾燥適正

乾燥方法による、乾燥の適正

自然乾燥

熱を与えなくとも、溶剤分が自然に印刷物より放出され乾燥します。溶剤分が、滞留しないように、風を与えることもあります。他の人工乾燥とは異なり、エネルギーを与えず乾燥しますので、経済的ですが、溶剤分が充満したり、乾燥スペースが必要等、生産性が悪く、気温にも左右されます。作業現場で自然乾燥させる場合は換気を十分行わないと、作業環境の悪化を招きます。

熱風乾燥

オーブン型で、箱型の空間に印刷物を入れ 熱風を当てることにより、乾燥させます。低温から高温まで、設定が可能です。 季節や気温に関係無く、温度と時間で管理出来ます。

ジェットドライヤー乾燥

コンベア型で、熱風を印刷物に当てることにより、乾燥させます。温風を印刷物に吹き付けて乾燥を促進させますので、溶剤分を早く蒸発させることが出来ます。低温から中温(60℃)程度の温度域の乾燥で、高温処理は難しいと言えます。

リーフ式乾燥

回転する金属のリーフに、印刷物を載せ 熱風を当てることにより、乾燥させます。生産性が良く、設備コストが安いので、スクリーン自動印刷ラインで良く採用されています。金属の網に載せて、温風を印刷物に吹き付けて乾燥を促進させますので、溶剤分を早く蒸発させることが出来ます。高温になると 金属の網が、変形したりするため、低温から中温(60℃)程度の温度域の乾燥で、高温処理は難しいと言えます。

遠赤外線乾燥

一般的にはコンベア型で、遠赤外線を印刷物に照射し 印刷物へ輻射熱を与えることにより、内部より加熱し乾燥させます。低温から高温まで、設定が可能です。気温に関係無く、温度と時間で管理出来ますコンベアによる連続乾燥が可能で、生産性に優れています。装置コストとランニングコストが高いことが、デメリットとなります。

近赤外線乾燥

近赤外線を印刷物に照射し、熱を与えることにより、乾燥させます。表面より乾燥硬化が始まりますので、乾燥時の印刷物の汚染が少なくなります。

UV照射硬化装置

UV硬化型インキの印刷物に紫外線を照射することにより、硬化させます。一般的にはコンベア型で、生産性に優れています。紫外線エネルギー量で、インク硬化の管理が出来ます。印刷膜が硬く、耐候性も高いことから、印刷物のオーバーコート用途で使用されることもあります。インクコスト、装置コスト、ランニングコストが高い、印刷生地が限定されることもあり、特殊な印刷用途で使用されています。

乾燥方法による、メリット、デメリット、特徴、用途

自然乾燥

メリット 小ロット対応、電気消費量小、使用するインキの対応数が多い、少人数での生産が可能
デメリット 生産性が悪い、乾燥時の汚染注意、乾燥のバラツキが大きい、スペースの確保、季節や気温により乾燥時間が異なりますので管理が難しい
特徴 熱を加えると変形してしまうような印刷生地を乾燥する
用途 一般印刷向き

熱風循環乾燥

メリット 小ロット対応、電気消費量小、使用するインキの対応数が多い、乾燥条件設定が容易、少人数での生産が可能
デメリット 生産性が悪い、乾燥時の汚染注意、乾燥のバラツキが大きい、スペースの確保
特徴 インキの乾燥でオールマイティーな乾燥方法と言えます。
用途 一般印刷向き

ジェットドライヤー乾燥

メリット 生産性が良い、使用するインキの対応数が多い、使用するインキの対応数が多い、少人数での生産が可能
デメリット 乾燥時の汚染注意、乾燥のバラツキが大きい
特徴 紙への印刷等、速乾型インキで印刷する以外の乾燥は不向き
用途 一般印刷向き

リーフ式乾燥

メリット 生産性が良い、使用するインキの対応数が多い、電気消費量小、使用するインキの対応数が多い、少人数での生産が可能
デメリット 乾燥時の汚染注意、乾燥のバラツキが大きい
特徴 紙への印刷等、速乾型インキで印刷する以外の使用は不向き
用途 一般印刷向き

遠赤外線連続乾燥

メリット 生産性が良い、使用するインキの対応数が多い、乾燥のバラツキが少ない、乾燥時の汚染が少ない
デメリット 電気消費量大、乾燥テストによる条件設定が必要
特徴 遠赤外線の効果が有り、乾燥時間を短縮することが出来ます。
用途 一般印刷、銀ペースト等の導電性印刷、エポキシ系ペースト等の機能性印刷

近赤外線乾燥

メリット 乾燥時の汚染が少ない
デメリット 速乾性インキ以外の使用では、完全乾燥させるために、本乾燥が必要
特徴 近赤外線の効果が有り、短時間で印刷表面を乾燥させることが出来ます。
用途 一般印刷、銀ペースト等の導電性印刷、エポキシ系ペースト等の機能性印刷

UV硬化

メリット 生産性良好、膜厚を高く印刷可能、硬化条件設定が容易、硬化時の汚染が少ない
デメリット 電気消費量大、使用するインキが限定される、色により硬化条件が異なる。黒色等の光を通し難い色や、顔料分が多いインクは、硬化不良を起こす可能性が有り。
特徴 耐候性良好
用途 厚盛印刷、点字印刷、ドット印刷、カラー印刷

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