UV印刷とは

コンテンツ

概要

UV(Ultlaviolet)印刷とは、印刷インキを文字通り紫外線により瞬間硬化させる印刷方式をUV印刷と言います。一般の印刷では考えられない様々なことを実現することが可能です。環境・人にやさしいUVインキは構成物の中に一般の油性インキに含有される溶剤を含んでおりません。VOC(揮発性有機化合物)は原料配合上ゼロであると言えます。印刷作業環境の空気汚染から大気汚染についても配慮の必要性が大幅に低くなりなす。

UV印刷では、印刷インキの硬化は一瞬ですので、硬化後は完全にインクが固まっています。印刷後に油性インキのように半日以上をかけて乾燥させる必要はありません。従いまして、UV印刷は非常に生産性の高い印刷と言えるでしょう。

UV印刷のメカニズム

UV印刷は一般の印刷とは異なる仕組みによりその硬化皮膜を形成します。UV光の領域電磁スペクトルとは、主なところでは人体を突き抜ける波長のX線からTV/FM波までの帯域に分類されます。

UV印刷に必要とされる紫外線は100nmから400nmで、3つのバンド(UV-A、UV-B、UV-C)に細分化された領域があります。顔料を含むUVインキの硬化にはUV-Aの波長が重要視され、透明なUVニスの硬化にはUV-Cの波長が必要であると言われています。

UVインキで形成された強固な皮膜表面は耐溶剤性に優れ、又耐摩擦性にも優れているので、光硬化技術は印刷業界のみならず 自動車・航空機・電機・プラスチック・木工などの業界で塗料や接着剤に大いに活用されています。

UV印刷の装置

UV印刷で使用するUVインキは油性インキとは異なり、放置していてもインキは硬化しません。そこでUVインキを硬化させる為の UV照射装置が必要となります。UV印刷ではUVインキの硬化に相応の電力を必要とします。電気設備容量の観点から考えますと、電力を使用する=CO2排出ということで環境にはやさしくないとイメージされますが、きめ細かいランプ出力をインバーター制御しておりますので不要な電気の使用を削減出来るようになっております。

又、UV印刷の高生産性によるリードタイムの大幅な削減による電力消費時間削減や、UVインキはVOCフリーであることを考えますと環境にやさしい印刷であると言えます。

UV装置を構成する中で、最重要視されているものがUVランプです。国内では、一般的に2種類のUVランプ 水銀ランプ、メタルハライドランプが使用されております。水銀ランプは、石英ガラス製の発光管の中に高純度の水銀と少量の希ガスを封入し、短波長(254nm付近)を効率良く放射し、クリアーコーティングに効果的です。メタルハライドランプは、石英ガラス製の発光管の中に水銀と金属をハロゲン化合物として封入。長波長(300~450nm)の出力が高く、UV光の透過しにくい顔料を含む印刷インキに効果的です。

UVインキの硬化条件や硬化特性に合わせて、UVランプを選定する必要があります。一般的には、出力波長域の広いメタルハライドランプが使用されています。限られた印刷用途や、特殊なUVインキを硬化させる場合に、水銀ランプを選定する場合があります。UVインキを安定的に硬化させる為に、UV光の強さを管理することはUV印刷において最重要課題です。

UV光の強さ(ピーク:mW/c㎡)と積算光量(エネルギー:mJ/c㎡)を計測することは大変重要なことです。UVの強度と積算光量を計測するには、専用の光量計を使用し管理します。UVの強度については、UVランプと印刷物までの距離で コントロールします。積算光量については、UVランプと印刷物までの距離と UV光が照射されている時間でコントロールします。照射時間に関しては、コンベアー装置の場合は、コンベアースピードで管理します。

UV印刷の課題

UV印刷の課題としては、UV光を照射する際に、印刷物に高温の熱も被写体に与えてしまう為、印刷基材によっては、熱伸縮が発生したり、カール、ウェーブが発生することがあります。その際には、不要な熱線をカットするガラスフィルターの装着や、UVランプとの距離を離す等の対策が必要となります。

いずれにしても、UV硬化の効率を下げてしまう為、印刷基材の熱に対する敏感度とUVインキ、及び生産効率を考慮した上で、硬化条件を設定する必要があります。

用途

  1. 耐候性の必要な印刷
  2. 印刷保護用のオーバーコート印刷
  3. 耐摩耗性を必要とする印刷
  4. 厚い塗膜を必要とする印刷
  5. 硬い塗膜を必要とする印刷

上記のような印刷以外でも、多用途でUV印刷が採用されています。

お問い合わせフォーム

当社へのお問い合わせは、電話かFAX、または下記お問い合わせフォームにてお寄せください。 後日、担当者よりご連絡させていただきます。

お電話でのご依頼・お問い合わせは

072-258-0002

FAXでのご依頼・お問い合わせは

072-258-1281

【受付時間】9:00~18:00(土・日・祝日は除く)

*は必須項目です。